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秋のお彼岸の法要

まもなくお彼岸の時節を迎えます。今年も彼岸法要を厳修いたしますので、檀信徒の皆様には万障お繰り合わせの上、ご参詣賜りますようご案内申し上げます。


「彼岸」とは、迷いと苦しみに満ちたこの世(此岸)から、悟りの境地(彼岸)へと至ることを意味します。春分・秋分の日を中日とする前後七日間、太陽は真東から昇り真西に沈みます。この自然の姿に、私たちは霊山浄土へ思いを馳せ、仏の世界とご先祖様に心を通わせてまいりました。そして南無妙法蓮華経のお題目こそが、私たちを彼岸へと導く確かな道であると教えられています。


彼岸供養とは、単なる年中行事ではございません。生きる私たちが真心を込めてお題目をお唱えし、その功徳をご先祖様・故人様へと振り向ける「回向」の営みです。法華経には「一切衆生悉有仏性」
ーすべての命に仏の種が宿るーと説かれております。私たちの唱題の声が、亡き方々を成仏へと近づけ、同時に私たち自身の心もまた浄められていく。生者と死者がお題目によって結ばれる、まことに尊い供養でございます。


お彼岸の期間は、布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧という六波羅蜜を実践する尊い機会とされています。お墓参りや読経はもとより、日々の暮らしの中で人に親切を尽くし、心を調え、精進を重ねること、その一つひとつが立派な修行となります。ご先祖を偲ぶこの時節に、自らの生き方を静かに見つめ直していただければ幸いです。


お彼岸の勤行は、ご自宅でお唱えいただくことももちろん尊いものですが、本堂に皆様がお集まりくださり、共に声を合わせてお題目をお唱えすることには、また格別の意義がございます。多くの信心が一つとなって響き合うとき、その功徳は幾重にも重なり、道場全体が仏の世界そのものとなります。お一人おひとりの唱題が支え合い、大きな力となって、ご先祖様のもとへ、そして私たち自身の心へと届いてまいります。どうぞお誘い合わせの上、本堂にてご一緒にお勤めくださいますようお願い申し上げます。


塔婆とは、お釈迦様の遺骨をお祀りした五重の塔――地・水・火・風・空の五大を形にしたものです。塔婆を建立し、そこにお題目をお認めして回向することは、亡き方への何よりの追善供養となります。一本の塔婆に込められた真心は、ご先祖様の成仏を助けるだけでなく、その功徳は巡り巡って私たち自身の身にも還ってまいります。ご先祖のご恩に報いる尊い機会として、ぜひ塔婆供養もお申し込みくださいますようお願い申し上げます。